今までの歯科治療
●今までの歯科治療は、むし歯になってしまった歯を削ってつめたり、冠をかぶせたりといった対症療法的な治療の繰り返し が中心でした。その結果、歯は削られて小さくなり、残った歯質も弱くなります。"歯を削る回数が多いほど歯の寿命が短 くなる"といっても過言ではありません。やがて抜歯となり、取り外しの入れ歯やブリッジを早期に入れることになってし まいます。
●歯は削らないことが最善です。歯と修復物の境目は細菌がたまり、むし歯や歯周病になりやすくなります。
●歯髄(歯の神経や血管などの軟組織)を除去しないことは重要です。歯髄が失われると歯が欠けたり、折れやすくなります。 (強い痛みがある時は、残念ながら歯髄を除去しないといけません。)
●歯はできるだけ抜かずに済ませたいところです。
⇒抜歯部位にブリッジや入れ歯を入れると修復物が大きくなり、費用もかかります。また再治療の可能性が増えていきます。
むし歯予防のために
- 砂糖の摂取を少なくして、何でも良く噛んで食べましょう。
唾液はむし歯や歯周病の予防にも効果的です。 - 食べたらブラッシング、特に就寝前は丁寧に時間をかけましょう。
- 歯の表面を硬くするフッ素の使用と定期健診が重要です。
- 自分の歯にはどんな修復物もかないません。
予防することで、治療費用も治療時間も節約できます。
歯周病予防の必要性
Point 1
歯周病になってしまうと治療期間が早くても2〜3ヶ月、重症な場合は6ヶ月以上かかることもあります。
Point 2
歯肉が退縮するとブラッシングが難しくなり、知覚過敏、歯根面のむし歯や歯周病の再発をまねきます。
Point 3
歯の動揺があり上手く噛めない場合は、むし歯でなくても歯を削って連結固定する必要がでてきます。
Point 4
歯周病予防のために、1〜4ヶ月毎のメインテナンス(定期健診と口腔清掃)しましょう。
歯周病が及ぼす影響
歯や口内の健康とは関係ないと思われる様々な病気も口内環境の悪化と密接に関わっています
○歯周病
歯周病が重症化すると血糖のコントロールが低下。
○誤嚥性肺炎
唾液中の細菌などが肺に感染して起こります。
○心筋梗塞
歯周病菌が血管壁の細胞に付着し侵入した場合、菌血症を起こし血栓が詰まりやすくなる。
○低体重児出産・早産
血液内に歯周病による炎症物質が入り込み、子宮の収縮を促進。
全身疾患予防には
- 何でも良く噛み、腹7分目。(唾液は咀嚼や消化を助けます)
- お酒はほどほどにしましょう。
- 喫煙は体の治癒力を低下させ、歯周病の大きなリスクとなります。
- 精神的、肉体的なストレスをできるだけ少なくしましょう。
- 定期健診と体のケアが大事です。
何事も予防に勝るものはありません。
歯科医院へ来院されるのは治療のためでなく、"定期的にきれいになり、
予防するため"が最良だと考えています。